トップへ戻る   朝霞叢書」とは?  収録作品 

 『戦地春秋

『戦地春秋』には、次の作品が収録されています。


・小説・
戦地春秋…胡万春
歓騰的小涼河…王立信

・叙事詩・
団結勝利曲(征文選刊)…袁航、余タ君

・話劇劇本・
高山尖兵…成群



 戦地春秋  胡万春

登場人物
 梁輝…方也平の元部下、大新鉱山の副指揮兼党委副書記。英雄人物。
 方也平…元独立師団の師団長、大新鉱山の指揮兼党委書記
 
 陳公仁…指揮部の総技師、イギリス留学の知識分子
 劉克西…工程組副組長、破壊分子
 
 韓珍…女性技師。梁輝の過去の部下
 
あらすじ
 淮河戦役の功労者である方也平は建国後、数々の要職に就き、今回大新鉱山の指揮兼党委書記に任命される。方也平は戦時の部下である梁輝を鉱山の副指揮兼党委副書記とする。方也平は北京で会議が開催されるのを利用して、梁輝と淮河戦役革命烈士記念塔の前で旧交を温める。二人は、祖国のために全力を尽くそうと誓い合う。方也平は後のことを梁輝に託して北京での会議に向かった。
 梁輝はさっそく現場を視察する。主要な矛盾は、外国方式である凍結法を採用するか、中国人が新たに開発した盾構法を採用するかについて意見が分かれていることであった。指揮部の総技師、陳公仁は凍結法に賛成しているものの、イギリス留学の知識分子であるため、表立って外国方式の採用を支持できない。また他の幹部も凍結法の必要性を認めているものの、それを支持すると「外国崇拝」だと批判されることを恐れている。
 梁輝は大衆労働者に意見を求める。彼らは、幹部が凍結法を採用しないので、二ヶ月も工事がストップされていることに憤懣やるかたない思いを抱いていた。そこで、梁輝は一方では凍結法を採用し、工事を進め、また一方で、韓珍に盾構法の実用化を急がせる。工事は順調に進み始めた。
 方也平が会議を終え北京から鉱山に戻ってくる。彼は自分がいない間に、生産が進んでいることに驚き、これまで自分が凍結法の採用に反対してきたのは間違いだったと思い、今度は全面的に凍結法を支持することを決める。また工程組副組長、劉克西も盾構法が実用化されれば、韓珍の地位が増し、自分の昇進に障害が出ると心配し、凍結法を支持する。このことから、鉱山では、中国独自の方法を軽視し、外国の方法を重視する右傾路線が支配的になってきた。
 梁輝は再び大衆労働者に意見を求める。彼らがなんとかして中国独自の盾構法の実用化を実現させようと奮闘している姿を見て、梁輝は指導部に現れた右傾路線を徹底的に批判する。彼の批判により、韓珍は盾構法のテストを許可される。
 ところがその実験中に事故がおこり、あやうく労働者が犠牲になるところであった。劉克西はすぐさま韓珍に自己批判を求めるが、梁輝はこの事故の背後に複雑な階級闘争が潜んでいることを見抜き、事故原因を調査し、実は劉克西が韓珍を陥れるためにデータを改竄していたことを突き止める。劉克西は公安に身柄を拘束された。
 その後、再び盾構法のテストが行われ、勝利の内に大成功した。

 歓騰的小涼河   王立信

登場人物
 周昌林…湖熟大隊第二生産隊長、英雄人物
 徐振才…湖熟大隊第九生産隊長

 白漢成…知識分子、58年大躍進に反対し、周昌林にかわり隊長となったが、文革後副隊長に降格される 阮富剛…第九生産隊の養魚場の責任者、中農出身。
 陳三 …もと地主の手下

あらすじ
 文革前、湖熟大隊の第九生産隊は有名な先進隊で、第二生産隊は有名な落後隊だった。文革後、第二生産隊は周昌林の指導の下、生産量で第九生産隊を追い越す。第九生産隊長、徐振才はこれを苦々しく思うが、第二生産隊に追い抜かれた事実を認めようとしなかった。
 周昌林は生産大隊に頻繁に氾濫する小涼河の水利工事を提案する。工事により洪水を防ぎ、耕地面積を増大させるためである。党委もこれに同意し工事を実施するよう命令が下されるが、徐振才は水利工事で農産物の収穫高を増大させることより、農民の現金収入を増やすことのほうが肝心であると考え、なかなか工事に同意しない。さらに密かに養魚場の魚を売ることで私腹を肥やしていた第二副隊長の白漢成、養魚場責任者の阮富剛、もと地主の手先陳三といった連中は、水利工事により養魚場運営がうまくいかなくなることを心配して、あれこれと周昌林に反対する。
 周昌林は、解放前共に苦労した徐振才が、毛主席の革命路線を忘れ、資本主義の道へと転げ落ちていく姿を見て、何とか彼の目を覚まそうと奮闘する。工事を妨害するために陳三がたくらんだ陰謀が暴かれ、また阮富剛らが魚を売ることで私腹を肥やしていたことが周昌林らによって明るみに出されると、徐振才はようやく自分が資本主義の道を歩もうとしていたことに気づき、深く反省する。この後両者は一致団結しての水利工事に邁進した。