金鐘長鳴 立夏
登場人物
丁宝康…望湖亭の駅長。仕事は真面目だが政治意識は低い。
巧姑…望湖亭で働く若い女性。望湖亭の革命委員会主任。英雄人物
鄭老師…杷派甲が鉄路局訓練班にいた頃の先生。一月革命風暴の後、鉄路局の
人事所の責任者となる。丁宝康を解任しようとする。
範…鉄路局が送り込んだ調査員。
あらすじ
67年の1月革命風暴の後、新幹部が実権を握る。新幹部はそれまでのタイム・テーブルを改正し、よりたくさんの列車が走れるようにする。
改正後、初めての列車が望湖亭を通過する日、農民が駅にやってきて、新種の稲の種を列車に積み込んでほしいと駅長の丁宝康に頼む。駅長は彼らに同情するものの、列車を遅らせることによって、新幹部らの面子をつぶしたくないと思い、拒否するが、巧姑は、時間を守ることは、我々の目的ではなく、プロレタリア階級に奉仕することこそ、我々の目的であると、駅長を説き伏せ、駅員の家族や、他の仕事の職員を動員し列車が到着次第、荷物を積める準備を整える。
このことを知った鉄道局の人事所の責任者、鄭老師は、老実権派だとして丁宝康を解任するよう、巧姑に命令する。さらに、鉄道局が派遣した調査組の責任者、範がやってきて鄭老師の命令の執行を要求するが巧姑は、きっぱりとこれらを拒絶する。
列車が到着し、巧姑の指揮のもと荷物の積み込みは順調に進み、列車は時刻どおり駅を出発した。
その後、鉄道局に、調査員を走資派として訴える巧姑らの手紙が届く。
第一課 谷雨
登場人物
夏彩雲…紡績工場の労働者。「工宣隊」の副団長、英雄人物
大双…夏彩雲の双子の娘。紅衛兵の「小衛」に属す。
小双…夏彩雲の双子の娘。紅衛兵の「大衛」(現在、大学の権力を握る)に属す。
阿秀…彩雲の同僚。病気がち。阿香…彩雲の同僚。活発な性格。
老唐…工宣隊団長。軍隊の経験があり、気が荒い。
趙子海…「学工農」を率いる。セクトにとらわれず、工場、港で働く。
小虎…「学工農」の一員。
春花ねえさん…阿秀の赤ん坊を育てる。
あらすじ
1968年夏、紅衛兵に実権を握られた紡績大学に彩雲、老唐が率いる工宣隊が入る。彩雲は、資本主義にむしばまれた、阿秀の息子の話をし、劉少奇の修正主義教育路線を批判しようと呼びかける。
紅衛兵戦旗…姚真
登場人物
金棗蘭…愛武中学“八一八”紅衛兵指揮部の責任者、女性、英雄人物
苗師傳…労働者革命大衆組織の責任者
朱烈紅…愛武中学“八一八”紅衛兵の隊員、女性
馬小戦…紅衛兵造反縦隊の指導者、女性
何作天…文革前、区委の教育・衛生部副部長、兼愛武中学の名誉校長
あらすじ
労働者革命大衆組織の責任者、苗師傳は中学紅衛兵のリーダー会議を開き、紅衛兵は闘争のためには団結しなければならない、という毛主席の指令を紅衛兵の各リーダーたちに伝えた。愛武中学“八一八”紅衛兵を代表して会議に参加した金棗蘭は、すぐさま学校に戻り、毛主席の指示に従い、現在、愛武中学の対立する二つの紅衛兵組織、“八一八”紅衛兵と紅衛兵造反縦隊の大連合を実現しようとする。
しかし、“八一八”紅衛兵の責任者の一人である朱烈紅は、紅衛兵造反縦隊を敵視し彼らと連合するなどあり得ない、と考えていた。
紅衛兵造反縦隊のリーダー、馬小戦はもともと金棗蘭らとともに、ブルジョア反動教育路線に造反し、“八一八”紅衛兵を設立したメンバーであったが、その後、一部の隊員を連れて新たに紅衛兵造反縦隊を結成したのだった。
金棗蘭は朱烈紅をなんとか説得し、団結してブルジョア反動教育路線と闘争することを馬小戦に呼びかけたが、彼女はきっぱりと拒否し、翌日には紅衛兵造反縦隊によって、金棗蘭の経歴問題を批判する大字報が学校に張り出された。
朱烈紅はこうした態度に怒り心頭に発したが、金棗蘭は彼女らと共に闘争した馬小戦がなぜ急に態度を変えたかを考えた。そして彼女の背後に、もと兼愛武中学の名誉校長で、文革で批判された何作天がいることを突き止めた。
金棗蘭に何作天の悪行を聞かされた馬小戦は、ようやく自分が彼に利用されていたことに気づき、金棗蘭に許しと和解を求めた。
こうして、愛武中学紅衛兵組織の大連合が実現し、金棗蘭、朱烈紅、馬小戦は一致団結して、ブルジョア反動教育路線と徹底的に闘争することを誓い合った。
浦江潮…陳足智
登場人物
魏剛 …浦江卸しセンター造反大隊の隊長、28歳
譚長華…紅衛戦闘隊の隊長
項永福…浦江卸しセンターの党委書記
あらすじ
1966年冬。
浦江卸しセンターでは、センターの党委書記、項永福が荷物の輸送を禁じていたため、倉庫に荷物が山と積まれ、一ヶ月にわたり新たな船が荷を下ろせない状態になっていた。ちょうどこの時、資本主義国家の輸送船が港にやって来て、三日以内に荷物を下ろさせなければ抗議行動を取ると脅してきた。
浦江卸しセンター造反大隊の隊長、魏剛はその日の午後三時に荷下ろしを許可する旨を外国船に伝え、紅衛戦闘隊と協力して倉庫の荷物を整理することにした。
ところが、紅衛戦闘隊の隊長、譚長華は協力を拒否し、北京に出かけ“造反”をやるという。魏剛と譚長華はもともと文化大革命でともに造反した戦友であったが、譚長華は、党委書記の項永福にそそのかされ、造反大隊に負けぬよう、北京に行くことで紅衛戦闘隊に箔をつけるつもりでいたのだった。
魏剛は彼を説得するが、彼は耳を貸さずとうとう隊員を連れて汽船に乗り込んでしまった。
この事を聞き喜んでいたのが、党委書記の項永福であった。彼は魏剛が外国船に午後三時に荷下ろしを許可したことを知り、すぐさま譚長華をそそのかして北京に行かせた。約束の午後三時に間に合わぬよう魏剛らの倉庫整理作業を混乱させ、兼ねてから自分の指示に従わない魏剛にその責任を取らせようという魂胆だったのである。
譚長華の北京行きに項永福の陰謀があることを察した魏剛は、他の労働者と協力して、とうとう項永福が、もと右派分子の徐力に送った手紙を差し押さえた。その手紙には計画通り譚長華を北京に行かせたこと、荷物整理の責任を魏剛、譚長華の二人に押しつけるべきことが書かれてあった。
この手紙を見せられようやく自分が項永福に騙されていたことを悟った譚長華は魏剛とともに急いで港へ帰り、造反大隊と団結して倉庫の荷物整理を行い、約束の午後三時になんとか間に合うことができた。
この後、浦江卸しセンターでは、走資派に奪われていた権力が労働者の手に再び移り、革命と生産の連合指揮部の成立が厳かに宣言された。
試航…王金富、朱其昌、余彭年
登場人物
陸大路…万匹機生産指揮部の副総指揮
陳宋傑…外運局験機〔機械試験〕組副組長
あらすじ
造船所の労働者の自力更生により、国内初の万トン級遠洋航海船「東方」号が完成し、テスト航海を行った。テストは基本的に成功したが、テスト航海終了間際にエンジントラブルが発生した。
二週間後、労働者はトラブルの原因を解消し再テストを要求したが、外運局機械試験組副組長の陳宋傑は、あれこれと理由を並べなかなか再テストを許可しなかった。ところが、今日、陳宋傑は突然、明日テスト航海を実行すると言う。これは、国産の航海船に以前から反対し、外国産の船舶を輸入するよう主張していた陳宋傑が、明日台風が接近することを知り、テスト航海を失敗に追い込むために企んだ陰謀だった。
エンジン生産指揮部の副総指揮を務める陸大路は、陳宋傑の陰謀をはっきり見抜いていたが、「我々には恐れるものはなく、嵐の中でこそ自身を鍛えることができる」と他の労働者を励まし、翌日テスト航海へと出発した。
外国産の船舶を崇拝し、国産の船舶など端から信用していなかった陳宋傑は、今回のテストは必ず失敗すると思っていたが、テストは無事に終了する。
テスト航海の帰り際、「東方」号は座礁した万トン級遠洋航海船を発見しその救助にあたったが、この座礁した船こそ、陳宋傑がしきりに購入を主張していた外国産の船舶だった。
テスト航海を終え、陸大路は「自然界の嵐は止むことがあっても、我々の生活における闘争は永遠に終わることがない」と今回の闘争を総括し、新たな闘争への決意を誓った。
青春頌 姚華
登場人物
于培英…女性、英雄人物
姫徳和…海浜農場を牛耳る走資派
遅啓栄…革命委員会副主任、姫徳和と共謀する。
楊阿興…農民、第六隊の隊長。紅衛兵を支援する。
あらすじ
68年夏。走資派、姫徳和が牛耳る海浜農場に、于培英を団長とする紅衛兵が農作業の援助にやってくる。于培英は農場の革命委員会の副主任を務めることになるが、これに先立ち、海浜農場には、まだ走資派が権力を握っているので、階級闘争に力を入れるようアドバイスされていた。姫徳和は、報告どおり、豪華な住まいを作り、農作業も別の公社の農民に金を払いやらせるという無道ぶりだった。さらに、姫徳和は紅衛兵による雑草除去を妨害するため、さまざまな画策を練るが、すべて于培英らに見破られる。
最後には、金で雇われていた農民も姫徳和に反旗を翻し、彼の悪行がすべて暴かれる。
序曲…施偉華
主な登場人物
趙大梁…海浜造船工場の労働者、30過ぎ、英雄人物。
浦笑風…造船工場の工場長、走資派
あらすじ
海浜造船工場の労働者趙大梁は、毛主席の最新支持を学習するため造船系統の革命大衆会議に参加した。会議の席上、趙大梁は資本主義国家の船舶が海上で故障したため、海浜造船工場のドッグでの修理が必要だと聞かされる。ところが工場長の浦笑風はドッグに空きがないことを理由に外国船舶のドッグへの進入を拒否しているらしい。趙大梁が会議に参加する前は、ドッグには確かに空きがあったはずだった。趙大梁は急いで工場へと戻る。
趙大梁が工場へ戻ると、ドッグには「戦闘号」が停泊していた。「戦闘号」はこれまで労働者が何度もドッグでの修理を要求していたにもかかわらず、浦笑風がドッグへの進入を許可しなかった船舶だった。趙大梁はこの措置を、外国船をドッグへ進入させることを拒否するための浦笑風の陰謀であることを見破った。
一方、浦笑風は手下を使い、革命のため工場が混乱していることを理由に外国船の進入を拒否する電報を打たせるが、革命的大衆によって阻止される。ここにいたり、浦笑風の狙いは文化大革命反対の国際的世論を作り出し、文化大革命に打撃を与えることだったことが暴露される。
その後、趙大梁らは突貫工事を行い、外国船と「戦闘号」の修理を同時に進め、見事にその任務を完了したのだった。
前進、進! 董徳興
登場人物
丁敢闖…養鴨隊長。女性。英雄人物
郭英正…養鴨隊党支部書記。女性。
朱阿富…養鴨隊副隊長。男性。反面人物。土地改革の際、富農だったが貧農と偽った。
王尉(草冠)… 農場に新しく来た知識青年。女性。
阿土伯…老貧農。丁敢闖を手助けする。
あらすじ
養鴨隊長、丁敢闖は朱阿富の妻が、自分の鴨に公共の餌を食べさせていたので、彼女を批判する大字報を張り出す。朱阿富はこれを不服とする。
丁敢闖らは、上部の指令で鴨の買い出しに出かける。朱阿富は彼女らが買ってきた鴨を殺そうとするが、丁敢闖らに見つかってしまう。
鋼○鉄鋳…銭鋼
登場人物
汪群 …製鉄工場の革命委員会主任、27歳、英雄人物
彭凱 …革命委副主任
倪向東…技術員、35,6歳、団結を妨害する
あらすじ
1967年。
製鉄工場では革命委員会が成立してはじめての、鋼鉄の生産が行われていた。ところが文革前の工場長で、現在、革命委副主任を務める彭凱のミスで鋼鉄はすべて屑鉄となってしまった。
造反派のもと技術員、倪向東は「彭凱をつまみ出せ!」と彼の責任を追及しようとしたが、工場の革命委員会主任、汪群はこれは単なる技術問題ではないと見破り、事件の真相を明らかにするため、彭凱の部屋を訪れた。
彼の話では、作業の前に倪向東がやって来て、事故をわざと起こして汪群らの革命委員会に打撃を与えるようそそのかされたという。彭凱はすぐにこの陰謀を拒否したが、作業中、機械が突然停止したため、つい倪向東の話が頭に浮かび作業が遅れ、事故が発生したのだった。
汪群にすべてを打ち明け、自分が倪向東に利用されていたことを知った彭凱は、すぐに大字報を張り出し、青年幹部と老幹部の団結を裏で妨げようとする一切の勢力と闘争し、新しく生まれた革命委員会を守り抜くことを誓った。
樟樹泉…陸天明
登場人物
趙春山…樟樹泉国営農場路線教育試点工作組組長、同農場革命委主任、36,7歳、英雄人物
應翔 …樟樹泉国営農場革命委副主任、兼六分場場長、27,8歳
潘伯祥…樟樹泉国営農場革命委主任、50歳以上、もと党委主任
劉裕如…樟樹泉国営農場革命委副主任、反革命分子
六指頭…農場の農民、劉裕如に利用される。
あらすじ
1971年春。
樟樹泉国営農場では現在、開拓中の農地を放棄し、整備の整った農地への移動が計画されていた。この計画を積極的に推し進めているのは国営農場革命委主任の潘伯祥と副主任の劉裕如であったが、第六分場の場長である應翔は農地の放棄に反対していた。
地方委員会から調査のため路線教育試点組が派遣されたが、この組長こそ、もともと樟樹泉国営農場で育ち、農地の開拓を最初に提案し実行に移した趙春山であった。
趙春山は潘伯祥の移動計画に反対し、国営農場は土質の悪い農地を開拓してこそ、全国の農業生産にモデルを示すことができると説得したが、潘伯祥は、現在の課題はとにかく生産量をあげることだと主張し、耳を傾けなかった。
副主任の劉裕如は農場の農民に、移転に賛成すれば副産品の自由市場を承認すると伝達し、あからさまな資本主義の復活を企んでいた。抗日戦争時、劉裕如が国民党のもとで働いていたことを知っていた農場の農民、六指頭はこれをもとに劉裕如をゆすろうとしたが、逆に脅され陰謀に加担し、趙春山の率いるトラクター部隊を沼地へ追い込もうとする。
このことを知った潘伯祥は、すぐに電話で趙春山に彼らの陰謀を知らせようとするが、劉裕如に銃で脅され知らせることができなかった。ところが、ここへ趙春山が乗り込んできた。彼はすでに六指頭を捉えており、彼らの陰謀をすべて見破っていたのであった。
潘伯祥はこの事件を通して、自分が生産ばかりに気をとられ階級闘争をおろそかにしていたことに気づき深く反省した。趙春山は彼の手を取り、いかなる時も階級闘争と階級路線を忘れてはならないと宣言した。
抗寒的種子…復旦大学文芸宣伝隊集体創作
登場人物
欧陽鉄…某大学生物学部の学員、26歳
章教授…某大学生物学部の教授、章林の父親
あらすじ
某大学の生物学部の学員、欧陽鉄らは寒さに強く生産性の高い新種の稲の発芽実験を農場で行っている。
気象所の予報では今日の夕方から寒気が到来するため、彼らは寒気に備えての準備を行っていたが、そこへ大学から章教授がやって来て、午後に遺伝子理論の試験をすると彼らに伝えた。
欧陽鉄は発芽実験という闘争こそ本当の試験であり、実践とかけ離れた理論のテストは修正主義教育路線のやり方である、と章教授を批判し、発芽実験を続行する。
実験は章教授の予想とはうらはらに見事に成功した。章教授は試験されるべきは学生ではなく、彼自身であったことに気づき、彼らとともに修正主義教育路線の寒流に対抗することを誓った。
|